東京オリンピック開会式で、
市川海老蔵さんが
『暫』
をやりましたね。
これは、歌舞伎十八番の一つで、荒事の代表的な演目です。

善人達が悪人に捕らえられ、首を落とされ殺されてしまう、その間一髪の時に、
「暫くー」
と叫びながら止めに入る、といった内容で、
筋書きは至って簡単明瞭、特別なことはありません。
でも
見た目にインパクトがありすぎて、
常に人気のある有名な演目の一つです。
とにかく、その出で立ち、体裁が重要な演目なんです。
霊力を持つ主人公の青年が、その霊力を「にらみ」で表現します。
だから、
「にらみ」を見ることは、とても縁起がいいんです。
赤い隈取は、荒事の中でも、勇気、正義、強さの表現です。
「暫く」は、激しい怒り、超人的な勇者に用いる、紅隈という種類で、何本もの紅の筋を跳ね上げて隈を取る形状です。
迫力ありますよね。
カツラも衣裳も、豪快です。とにかく重い。
私も、一度歌舞伎座で観たことがありますが、
花道から
「し・ば・ら・くー、し・ば・ら・くーっ」
と叫びながら出てくる場面は圧巻でした。
その時は、私の座席が遠すぎて「にらみ」が分からなかったので、
今回しっかりみる事が出来ました。
これが、約150年以上前から続いているって、改めて凄いと感動しました。
日本舞踊紫派藤間流 藤間紫希波
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