「連獅子」の稽古をしている方がいて、
私はその稽古を見ておりました。
振りは、私が学んだものとほぼ同じなので、
懐かしくもあります。
人から獅子の精へ、
衣裳も、化粧も、カツラも、全て変え、
花道から出てくる時の曲が、私は特に好きでして、
笛と三味線、鼓からなる、その曲が始まると、今でも心が高揚します。
下の写真は・・・・
16歳の頃だったかな。
白(親獅子)が私、
赤(子獅子)が妹です。

獅子落とし、
と言って、
親が子を深い谷に投げ落とし、
よじ登ってきた強い子だけを育てる、
という中国からの古い言い伝えを元にした演目です。
見どころ、
聴きどころ、
衣裳も派手。
とにかく海外でも人気のある曲です。
獅子の精になる前は、
裃もなく、シンプルですよね。

獅子の精になる前
音楽に聞き入って、稽古を眺めていて、
稽古も終わりに差し掛かった時、
「獅子のカツラは、実際には白の親獅子より、子獅子の方が重いんだから・・・」
と、
稽古をつけている笑三郎さんの声が、
フッと聞こえ・・・、
えっ!
そうなの?
白く脱色した毛のカツラより、
赤く着色した毛の方が重い・・・
確かにそうだわな!
飛んだり、
跳ねたりしない、
親獅子の方が、
踊りは楽かな、と思っていたけど、
まさか、カツラまで私の方が楽だったとは・・・。
そうだったのか・・。
妹の方が大変だったんだ
と、今更ながら思ったのでした。
日本舞踊紫派藤間流 藤間紫希波
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