生かされる・・
先日、あるご婦人から素敵な小箱を頂きました。

それは、
空き箱の内側と外側に丁寧に和紙を張り付けた、
とても愛らし物です。
この美し箱に、お菓子もはいっていました。
「ちょっとした空き箱なんだけど、綺麗にできたので・・」と微笑まれ、
私は、本当に温かい気持、心が豊かなになりました。
とっても嬉しかったのです。
そして、本日
代々木上原のファッション修理工房「GMT FACTORY」さんに依頼した靴が、
宅配で送られてきました。

きれいに修理されて、よみがえって帰ってきました。
「お帰りなさい!」「ありがとう!」
若い職人さんでしたが、いい仕事をしてくれました。

かかとのゴムを削って綺麗に補修してくれ、靴の皮も生き生きしてます。
緊急事態宣言の中、やはり靴を送って頂いて良かったです。
私は、つくづく思うのです。
着物は、裾上げ、丈詰め、染め直し、解き洗い、縫い直し・・etc.・・
生地が弱ってない限り、再生は可能です。
むしろ、年代物の紬は、生地がテロテロに柔らかくなり、
素晴らしい!と絶賛されるそうです。
使い込んだ月日の流れでしか生まれない生地の状態で、
「値が付けられない価値」なんだそうです。
うちのタンスにも、年代物の着物があります。祖父、曾祖父、祖母等々・・。
でも、それは縫い直してくれる人のお陰なんです。私にはできません。
だから、今の時代にも現役なんです。(着物の話はまた別の時に、長くなる)
食器(磁器、陶器、硝子)もそう・・ 周りにはいっぱいありますよね。
先のご婦人も、先祖代々の食器のヒビを金で繋ぐ、という話をしてくれました。
最近は、大事に、大切に使い続ける文化は、今は少なくなった気がします。
また、再生できる技術を持つ人、お店、材料も少なくなりました。
一つ一つ、丁寧に使い、使い切る、 その物を生かす在り方を、心掛けようと思います。
日本舞踊紫派藤間流 藤間紫希波